映画『グエムル 漢江の怪物』
ソウルの街を流れる大きな川に謎の巨大生物が現れたという怪獣映画。
街がパニックになる展開はどの怪獣映画も同じだろうけど、これの映画では何点か面白いなと思ったポイントがある。
怪物に触れた者はウイルスに感染しているということから主人公は隔離されてしまう。
そう、これは怪獣映画というよりウイルス映画。
「風邪のような症状」と聞き人々は皆マスクを着け、咳をした人を思わず睨む。
今現在起きていることとよく似ている!
主人公は怪物に連れていかれた娘から携帯に着信を受け、まだ生きていることを知り、隔離病棟から脱出して助けに向かう。
テレビのニュースでは「逃亡者」ばかりが取り上げられ、怪物の話題には全くならない。
これも似てるよ!
「俺は感染者だ」と喚いた人を報道するメディア。問題の本質じゃなく、わかりやすい悪を作り出してみんなで非難してひとまずの安心を得る。
その他にも、ほとんど無警戒にスルーしていく無意味な検疫や、「政府が言うんだから」といって自分で考えることをやめた人々、街を歩く者を許さない警察、あらゆるものが今の世界と同じように映る。
僕は今、パニック映画の中にいるんだな。
そして自力で生き残るしかないんだな。