ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

とんだ茶番パン

年末に紅白歌合戦を見た。

 

元々音楽もあまり聴かないし、テレビも見ないからほとんど興味なんかないんだけど、やたら米津玄師関連の曲が多いなぁと気づくくらいにはちょこちょこ見てた。

 

番組の最後に興味深いことに気がついた。

 

例年通り審査員と客席と視聴者に審査投票を促すアナウンサー。

自分の組に入れて下さい!と祈る出演歌手の皆さん。

「審査結果が出ました!白組の勝利です!」

白組、わぁ〜!やったー!ガッツポーズ!

紅組、残念…。拍手。

 

え、そんなに本気やったん??

 

紅白歌“合戦”の勝ち負けにそんなにこだわってたの?

ちがうよね、ただのお祭り番組だよね。

出場者は誰一人として相手を負かそうなんて思って歌ってないし、審査員も何となく好みで2択を決めてるでしょ。去年の勝ち負けなんて誰も覚えてないでしょ。

 

となると興味深いのは、誰も興味関心のない勝ち負けを懸命に祈って本気で喜び悔しんでいる“フリ”をしている出演者たちだ。

 

「それが芸能人」と言われるとそうなんだと思う。テレビカメラの前では皆が足並みを揃えて演技をする。食べ物が出てきたら「美味しそう」専門家の話を聞けば「そうなんですねー」と言う仕事。たとえ以前食べたことがあっても、自分が知っていることでも決して口にしてはいけない。

 

これがすごく気持ち悪い。

全然リアルじゃない。

 

年始のラジオ番組で坂本龍一村本大輔が「原発の話をすると心配される。そこにあるものを“ある”って言ってるだけなのに」と話していた。

 

まさにこれ。別に紅白の勝ち負けに興味なければそう言えばいい 「何で審査してるんですか?」って。スタッフも「今年はやめませんか」とか言ったらいい。

民放の音楽特番みたいに全歌手出演してから「また来年〜」で終わっても誰も違和感ないよ。気づかないよ。

 

決められた茶番じゃなく、世界のリアルを伝えるNHKなら期待してみたい。

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