1年くらい前に水族館に行った時のこと。
5歳くらいの男の子が一生懸命水槽をのぞきながらスケッチブックに魚の絵を描いていて、その隣に座ったお母さんが優しい顔でそれを見守っているのを見かけた。
チラッと見えたその絵がとても上手で、この子は本当に魚が好きなんだということが一目でわかった。
魚を描き終えた男の子は目当ての別の水槽に向かい、その後ろをお母さんがついて歩いていた。
凄いなぁ。良いなぁ。
僕は別段動物も好きじゃなかったし、絵を描くことも苦手だったからその道をなるべく避けるようにして育ってきたんだけど、だからこそこうして目の前に無我夢中で動物の絵を描いている子供を見かけるとその将来が楽しみに感じてしまう。
もちろんこの子は将来海洋生物学者になるかもしれなければ、全く別ジャンルのものに興味を持ってそっちの道に進むのかもしれない。
ただ1つ言えるのは、いづれにしたって幼い頃夢中になれるものがあって際限なくそれに向き合う時間と環境を与えてもらえることは子供の将来の可能性をぐっと広げることに繋がるんだということだ。
この子のお母さんはもしかしたら内心「そろそろ帰らなきゃ」とか思ってたかもしれないし、当然毎日水族館に来る訳にはいかないはずだろうし、そういう事情はいくらかある中であの優しい笑顔でいられるのも素敵だなぁと思えてくる。
ああいう親になりたいなあ。