この記事を読んで唖然とした。
おもちゃ業界も「男の子向け」「女の子向け」にとらわれず個々の興味関心を大切にしようという考えは理解できるんだけど、それで開発された商品がコレなのか、そして何も疑問を持たずに新聞が記事にするのかとがっかりしている。
記事で紹介されているおもちゃ①
タカラトミー『ドリームトミカ サンリオキャラクターズコレクション』
これはさ、従来男の子が多いトミカの客層を女の子にも広げようとしてサンリオを起用しただけでしょ!?車が好きな女の子を肯定した訳ではないよね?「格好いいスポーツカーやパトカーで女の子が遊んだっていいよね」っていう意識を多くの人が持って、実際に車が好きな女の子が気にせず遊べる空気を作る努力をするべきなんじゃないかなぁ。
記事で紹介されているおもちゃ②
バンダイ『ホルン おせわきほんセット』
記事によると
これまでは女の子向けとして、女の子の人形が多かった。担当者は「お世話遊びが好きな男の子もいると感じていたので、男の子も手に取りやすい人形を開発した」と説明。
だから〜、この時点で“女の子には女の子の人形を”“男の子には男の子の人形を”与えようとしてるじゃん!どっちもいていいんだよ!
記事で紹介されているおもちゃ③
ピープル『ねじハピ』
電動ドライバーを使った工具系のおもちゃなんだけど…
なんでコレになるの??結局女の子は工具を使っても“ドレッサー”とか“うさぎの宝箱”とか“バッグケース”を作らなきゃならないのか。ロボットとか車とかじゃダメなのか。
「多様性を尊重する」なんて聞こえのいいこと言ってるけど全くその気ないでしょ。今まで通りの価値観になんとか寄せようとしてるだけ。その証拠に上記の3メーカーのホームページには見事に「男の子向け」「女の子向け」の項目が入っている。そりゃあ無理だよ。
こんなのは多様性でも何でもなくただの商業主義の言い訳。
一応僕はおもちゃの仕事をしてるので、今年のSpielwarenmesseの入賞作品も見てきた。
ToyAward | The price for novelties at the Spielwarenmesse 2020
見てわかる通り、どのおもちゃも男の子と女の子が一緒に遊んでいる。つまりおもちゃを作る上で性差なんて考えていないんだよね。
その上で「男の子ばかり遊んでいるようならどうすれば女の子が入りやすいか考える」とあるメーカーの人から聞いたことがある。
日本のおもちゃ市場は周回遅れしてると思ってたけど、こうやって整理してみると全く別次元なのがわかってきた。
おもちゃを選ぶ時はもっとよく考えた方がいいかも。