ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

大人のおもちゃ!?パン

面白い資料を見つけたので共有してみたいと思う。

 

これまでも、日本のおもちゃ業界にいくつか疑問を感じてきた。

 

そのひとつが以前書いたこんな文章だ。

日本おもちゃ大賞パン - ソートベーカリー

2019年当時、なぜボーイズトイ・ガールズトイの部門があるのかと指摘したが、世の中の流れを受けてか2021年のおもちゃ大賞からその部門が消えていた。

 

もうひとつ、今年の6月におもちゃショー2022へ行った際にも所感を書き記した。

おもちゃの立ち位置パン - ソートベーカリー

この中で僕は以下のように書いた。

などなど新作おもちゃに反応しているのは"大人"だし、取り上げられる大手メーカーがターゲットにしているのも"大人"であることがわかる。

すると先日、こんな記事が出た。

クリスマスおもちゃ、トレンドは「大人」 “定番”もサムライブルーに進化(TOKYO MX) - Yahoo!ニュース

やっぱり~!

東京玩具人形協同組合の齋藤晴正理事長は「今年のキーワードは『大人』。大人が自分でおもちゃを買って遊ぶ。もう一つは『大人と子どもが一緒に遊べるコミュニケーションの道具としてのおもちゃ』という2つのトレンドがあると思う」と話します。

日本の子供達、残念ですが日本のおもちゃ業界は君たちの方を見ていません!
君たちの保護者と、そのお財布しか見ていません!

 

前にも書いたように、「大人が喜んで買い集めるおもちゃ」はあっていいんだけど、同時に「子供の発達や安全について考えられたおもちゃ」も重要で、これらをちゃんと分けて扱う必要があると思う。
例えば、前者は「ホビー」、後者は「遊びの道具」(ボーネルンドの案)のような言葉で分けてもいいんじゃないか。

 

そう考えていると、こんなものを見つけた。
「玩具業界統一商品分類コードハンドブック」https://toys.or.jp/st/pdf/bunrui_book.pdf

おもちゃ大賞を選ぶ日本玩具協会が、おもちゃのポジション分けをしてくれている。これを見てなるほどと察した。

ここにはしっかりと「ホビー」という大分類が記されているものの、ここにはプラモデルや模型が載っているのだ。キャラクターグッズなどはこの他様々な分類に登場する。

さらに言うと、ここに「男児玩具」「女児玩具」という大分類があり、「男児玩具」にミニカーやレールトイ、「女児玩具」にきせかえやままごとといったワードが並んでいる。

そして何よりこのハンドブック自体が、1999年から更新されていないのだ。時代錯誤があって当然だ。

 

そんな日本玩具協会が「日本おもちゃ大賞」を選んでいる。
ちなみにおもちゃ大賞の審査員は公表されていないし、日本玩具協会の役員はおもちゃ大賞に選ばれているおもちゃメーカーの代表ばかりであることを付け加えておく。
この表彰にどれくらいの価値があるだろうか?

 

ついでにドイツ・ニュルンベルクで毎年行われるおもちゃ見本市(Spielwarenmesse)のトイアワードの審査員を調べてみた。

ToyAward | The price for novelties at the Spielwarenmesse 2023

このサイトによると、審査員は
おもちゃの安全性の検査機関・おもちゃの市場調査会社・玩具チェーン店・玩具商社・フリーの教育者・プラスチックの科学者・小児作業療法士など、
様々な分野から代表者が集められ、メーカーの利害とは離れた所から厳正な審査を行っていることがわかる。これくらいの適当さと透明性が必要ではないか。

 

とはいうものの、実際に子供におもちゃを購入するのは大人である。
上記の内容を受け取った上で、どういう基準でおもちゃを選ぶのか、しっかり考えてほしいと思う。

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