半年前のバイリンガルニュースを聴いていて、当然話題の大半はコロナなのだが、台湾のIT閣僚オードリー・タンの話題が出た際に「she」と呼んでいて驚いた。
あの人女性だったの!?
そして録画してまだ見てなかったNHKの対談番組を再生してみると、オードリー・タンは男性に生まれ女性自認したトランスジェンダーだと紹介されていた。全然知らなかったわぁ。
彼女はどんな質問にも斜め上の答えを出す。
好きな食べ物は?「タンパク質と炭水化物と脂質です」
寝る前に必ずすることは?「目を閉じる」
小さい頃何になりたかった?「大人」
これだけ見るとただの変わり者と思われてしまうかもしれないが、コロナ禍に対しても決して悲観的ではなく「全世界が同じ悩みを抱えた」ことや「地球上のどこにいても繋がれ、みんな共に地球で生きているという感覚を持った初めての時代だ」など前向きな意見を出す。
他にも、経済の発展をGDPで計ることは今後なくなるだろうなど様々な考えを見せてくれた。
中でも台湾で行われているクアドラティックボーティングという投票方法の話が面白かった。
この制度を利用すれば自分の考えの度合いによって投票先を割り振ることができるし、その過程には必ず“意思決定”が必要になる、つまり考えなきゃならない仕組みになっているのだとか。
本当に凄い。日本の選挙システムでは「名前聞いたことあるから」で投票されるし実際に票が集まってしまう。その穴を埋めた形だと思う。
更に彼女は国民に政治の関心を生み投票率を上げる為の提案として、「投票のテーマを軽くし投票の回数を増やすこと」と答えた。
つまり政治家を選ぶだけでなく様々なテーマで気軽に投票できる環境を作るべきなのだ。
既存の選挙制度に縛られないこういうアイデアこそが今の日本には必要なのかもしれない。
オードリー・タンはその柔軟な発想力を買われIT閣僚の座に就いている。
日本の官僚は逆に頭の堅さが露見してしまっている。各個人が柔軟に考えられるよう努力していけば必ず日本を前に進めるアイデアが出てくるはずだ。