ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

日本のかたちパン

ある日、離婚した元夫からの養育費が未払いで困っている母子のニュースを見た。

暴力を受けた過去もあるため容易に請求手続きにも手が出せないでいるという。

更に、海外のいくつかの国では行政支援があったり、取り立て制度があったり、罰則規定があったりするのに対して、日本にはそのどれも存在せず、この母と子供は泣き寝入りを強いられているという。

 

そんなニュースを見ていて、この日本という国の形がぼんやりと見えてきた。

 

前にも書いたように、日本にはどうやら義務教育を受け、高校大学に通い、就職して、結婚して、出産して、育児をして、定年まで働いて…という「規定ルート」が存在するらしい。

そしてその規定ルートに乗っている限り、国はある程度面倒を見てくれる。

 

実際、僕に子供が産まれたことで初めて知った行政サービスがいくつもあったし、国民皆保険を達成していることはかなりポジティブな要素だったりする。

 

しかし、上に挙げたような離婚した後のトラブルについては救いがなかったりする。

他にも夫婦別姓を希望するカップルは現状認められていない訳だし、

既婚社員の出産育児を支援するけど独身社員がその割を食って転勤を命ぜられたりすることもある。

 

どれも一昔前の日本で「普通」とされているルートに乗っている人には優しく、外れた人には厳しい社会というのを示していると思う。

 

更に問題はその「規定ルート」に乗っていることの難易度が上がっていることにもある。

不景気にコロナも重なり、一昔前は当たり前だと言えた生活を当たり前に送れている人はどれだけいるだろうか?

LGBTに限らず、自分の本心を打ち明けて気ままな暮らしができている人がどれだけいるだろうか?

 

例えルートから外れても、例え自分の好きな生き方を選んでも、ちゃんと認めてもらって、困った時の相談先がある社会というのは作れないものだろうか?

また悩みが増えたようだ。

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