ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

炎上の黒幕パン

コロナ禍に加えての豪雨で外出もできず、ストレスが溜まっている人も多いんだろう、有名人の不適切な言動に怒りを覚える人が多く、炎上騒ぎが相次いでいる気がする。

「炎上騒ぎ」というだけでアレのことかな、コレのことかな、と思い当たるものは誰しもあるだろう。

 

当然、間違った言動は改めてほしいと僕も思うんだけど、悪いのは本人だけじゃないような気がしている。

 

炎上の多くは、悪い言動に腹を立てた人がSNSで発信することに端を発する。

悪者を糾弾すると自分は正義の側に立ててそれは気持ちいいんだろうけど、一度立ち止まって考えてみたい。

「◯◯の行為は許せない!」「◯◯の不適切発言」というコメントを初めて見た人はその内容が気になって検索をするだろう。

テレビやネットニュースも話題のトピックとして取り上げる。見る側は「何があったの?」と気になり、視聴やクリックを続けるだろう。

その結果さらに「けしからん!」「許せない!」という人が増えていく。この連鎖がどんどん大きくなっていく。

 

例えばそれが差別発言なら、元々は知る由もなかった当事者に間接的に届いて「傷ついた」というコメントを引き出すことにもなる。

それがまた取り上げられ、「かわいそう」「謝罪しろ!」という人が増え、また広められていく。

 

そう、怒る人を増やしているのも、傷つく人を増やしているのも、「それを取り上げるメディア」と「それに反応を示す人々」なのだ。

 

火を焚べたのは1人かもしれないけど、「こっち燃えてるぞ!」と呼びかけている人と、薪を持って集まってる人も共犯じゃないかと思えて仕方ないのだ。

 

自分は呼びかけもしてないし、コメントを残したりもしてない、ネットニュースが気になってクリックしただけという人は多いかもしれない。

だけどやっぱり、そこに人だかりがあるだけで「何があったんだ?」と他の人を集める要素になりうるので、興味を持って野次馬になった時点で共犯関係は成り立つ。そもそもそういう見出しでクリック数を稼いでいる人に加担している訳だしね。

 

本当に「かわいそう」なんて気持ちがあれば、そんなのは拡散しないことが1番いい。

本当に相手を批判したいなら、みんなが見ているところではなく本人に直接訴えるのが1番いい。

 

上に書いたように「炎上」は拡散を繰り返して大きくなる。

ネット上の「デマ」も同じだといわれている。“もっともらしい話”とか“知られざる真実”みたいなものは拡散する人がいるから広まり社会に悪影響を及ぼしてしまう。

しかも本人にあまり自覚がないというのがさらにタチが悪い。

 

自分がこれまで深く考えず反射的な発信をしてこなかったか、今一度思い返してみたい。

 

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