ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

誇りパン

テニスの全豪オープン大坂なおみが優勝した。

テレビで観てたけど凄い試合だった。

いろいろ思うところあるけど今日言いたいのはこれ。

 

日本、騒ぎすぎてない?

 

もちろん日本人の初優勝なんだから盛り上がって当然だと言われればそうかもしれない。

だけど、日本の騒ぎ方は何か違う気がする。

大坂なおみの快挙を自分の快挙のように手放しで喜んでいることが不思議に思えてしまう。

 

日本人がスポーツの大会で優勝したり、ノーベル賞を受賞したり、目立つ活躍をしたりすると急にちやほやし始める。それまでその人のサポートをしていたならまだしも、活躍するまで知らなかったにも関わらずだ。

 

その根底には世界で活躍しているのが「同じ日本人」だという誇りがあるんだと思う。

けど勘違いしたくないのは、それはその人の誇りであって、自分の誇りとは別じゃないかというところだ。

 

昨年ノーベル賞を受賞した本庶佑さん。

山口県の彼の出身中学で先生がニュースを取り上げ「この学校からノーベル賞受賞者が出ました!」と生徒たちに話したという。

本庶さんは76歳。出身は京都。

父親の仕事で60年前たまたま山口県にいただけで、その後は京都などで研究を続けていた人を「我が校の誇り」のように扱うのはもうお笑い種だ。

 

「同じ◯◯」で括れば他の要素でも成立するんじゃないか?
「同じ女性として」「同じハーフとして」「同じ右利きとして」「同じ地球人として」誇りに感じ始める。

「同じ◯◯」を探す作業になってしまう。

 

たまたま同じ日本人。たまたま同じ学校。

自分は自分で、その人はその人。

という見方をする方が健全じゃないか。

もしも、海外でとんでもなく残酷な殺人事件をしでかした犯人が日本人だったらどうだろう。それをきっかけに世界中から「日本人は怖い」と言われるのは理不尽だと思うはずだ。

 

こういう意見を見かけた。

「素直におめでとうって言えないのか?」

僕はおめでとうとは言わない。

僕はあの決勝戦のどちらも譲らないどうなるかわからない展開を見て思ったことは1つだけ。

2人とも凄い!

大坂なおみが勝ってもクビドバが勝っても僕の感想は変わらない。2人とも凄い!

クビドバは利き手の怪我からの復活というのもあっただろう。やはり凄い!

 

活躍する日本人を見て手放しで喜ぶのではなく、活躍する“その人”を見て自分の励みにするのが大事なんじゃないかと。

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