ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

日本おもちゃ大賞パン

毎年日本玩具協会が主催するおもちゃショーでおもちゃ大賞が発表されている。

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いくつか部門別に分かれているのだが、その内の2つ、「ボーイズ・トイ部門」「ガールズ・トイ部門」というものがあるのを見て愕然とした。

世の中でこんなにも性の多様化が謳われているにも関わらず、まだ男の子向け女の子向けなんて分け方をしているのか。

主催者はおもちゃショーに出展している海外のおもちゃを見たことがないのかと疑いたくなる。

大手日本メーカーが毎年“新商品”と称してセンサーやハイテク機能満載のおもちゃを出す中で、海外メーカーは今まで男の子向けとされていた列車遊びと女の子向けとされていたままごと遊びの壁を取り払い、性差に関係なく子供の好きな遊びができるデザインを発表している。

これこそおもちゃに関わる全ての人が目指すべき道ではないだろうか!

男の子向けとか女の子向けとか区別されると、「女の子だけどこれで遊びたい」という気持ちを封じ込めてしまうだけではないか。

大人が子供の遊びを制限してどうするんだ。

 

 

次に、去年のおもちゃ大賞を見てみよう。

http://www.toys.or.jp/award/

大手日本メーカーのおもちゃばかりが目立つ。

面白いくらい同じ名前が並んでいる。

それもそのはず、玩具協会の役員名簿を見ればわかる。

http://toys.or.jp/pdf/yakuin.pdf

各メーカーのトップの名前がズラリ!

 

ドイツでは「シュピールグート」と呼ばれるおもちゃの評価基準がある。おもちゃが子供にとって良いものかどうかをあらゆる側面から判断し、認められたものだけがこのオレンジのマークをつけることができる。

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その運営方針にはこう書かれている。

玩具の製造・販売に関係していれば当然ユ-ザ-の信頼を得ることはできません。そのため利害関係の無い人のみがその資格を持ち、メンバ-となりえるのです。活動における諸費用は個人負担とし、また指導や調査・玩具のテストの際の報酬は一切受け取りません。

こうじゃなきゃ信用できない。

ドイツでは他に、ありとあらゆる商品を抜き打ち検査し点数をつける「TEST」という雑誌もあり、こちらもどこからも利益を得ることなく運営している。

利害関係がある立場の評価は説得力がないことを知っているからではないか。

 

今年もまもなくおもちゃ大賞が発表される。

“売るため”という商業主義丸出しの理由で男女に分けたり賞を作ったりすることが本当に良いことなのか。

自分ならどんな基準でおもちゃを選ぶか、個々で今一度考えてみてもいいのではないだろうか。