Netflixに「世界の“現実”旅行」というシリーズがある。
ジャーナリストのデヴィッドが世界各地の知られざる暗部を取材するのだが、そのユーモアによって和らげられていて楽しく知ることができる。
その中で日本を取材したエピソードがあり、福島の放射能に汚染された町に入るシーンがある。
ここでは外国から来た別の取材陣たちもそれぞれ計測器を持参しており、0.2の数値まで安全と言われる中で容易にその値を超え、危険地域に近づくほどにまだまだ数値が上がり続け全員一致で中止を選択する場面まで映し出されている。
これは昨年の夏に放送されたもので取材したのは2017年だと思われる。また見ちゃった。
この番組に対して日本では「いわれのない風評被害を生む」として抗議があった。
風評被害を防がなくてはならないのはよくわかるが、実際に数値が高い箇所がまだ残っているのも事実だ。
そういう意味ではこの番組は比較的バランス感覚があるように思えた。
浪江町の定食屋で「ここで採れた食材?」と不安視していた記者達も、「空腹に負けてしまった」と言いながら食べる様子。
「恐くないの?」と聞かれ「危険はどこにでもあるから」と言ってのける案内人。
汚染土を集めて蓋をしたビニールが綺麗に並ぶところでは「これはインスタ映えするね」とか言っちゃう。
もちろん風評被害は防ぎたい。
原発から遠く離れた、ほぼ茨城との県境で育った牛肉にも「福島産」と書かなくてはならず売れないという話も聞いた。これは確かに風評被害だ。
だからこそ、都道府県単位ではなく市町村または地域の自治体レベルで“正確な”安全度を示す必要がある。
番組内では、「政府によって自在に放射能許容レベルも引き上げられる」とのうのうと語られている。これでは誰も本当の意味で“安心”は得られない。
…というか、オリンピックパラリンピックは来年だよね。
「復興五輪」なんて言ったからには福島全域を見てもらえる状態にするべきじゃないの?
新国立競技場?高輪ゲートウェイ?はぁ?
とはいえ、僕自身まだまだ知らない地域や人の暮らしがあるので、もっともっと勉強していかなくては。