ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

間違いなんて起こらないパン

結婚式を終えた。

結婚式パン - ソートベーカリー

 

当日は朝からそわそわ。全く落ち着かず家の中をウロウロしていた。

会場に着いても衣装に着替えてもずっと心ここに在らずといった状態。言われるがまま写真撮影などを終え、いつの間にかゲストは会場に入り、僕の入場を待っているところまで来ていた。

 

心の準備がまだできていない。

心臓の鼓動が外まで聞こえているんじゃないかというほど高鳴り、不安な表情をする僕に向かってスタッフの方が声をかけてくれた。

「大丈夫です。新郎がしたことはたとえ転んでもそれが正解なんです」

少し落ち着いた。そういえば前にもそうやって言ってもらっていた。無理にでも堂々としていよう。

 

自分で選んだ『人生最良の今日よりも』というウェディングソングが流れ、歩いて入場する。この時点で頭の中はいっぱいいっぱいだった。

式が終わり、そのままパーティに移る。前菜が出てきてもフォークを持つ手が震えて定まらない。あぁ、僕は緊張しているなぁとぼんやり考えていた。

 

とはいえ、予定通りに挨拶をし、ケーキ入刀や2人の紹介も盛り上がり、最後の謝辞の時間になった。

僕の前に父が、ゲストも驚くほどすらすらと綺麗な謝辞を述べた後、僕は何を言えばいいんだよと頭の中を真っ白にさせたまま思いの丈をその時間にぶつけた。

ゲストの方の拍手によって不思議とまとまってくれ、なんとか祝宴は終わりを迎えることができた。

 

ゲストと一言ずつ話しながらお見送りをする中で、何度も「良かったよ」「面白かったよ」と言ってもらえた。どうしても暗い話題となるコロナについての説明も笑いに替えてて凄かった、2人の仲の良さが伝わってきた、最後のコメントに感動した、などなど思いもしない角度から大絶賛してもらえた。

 

そして1日経って思い返す。

大絶賛すぎて逆に恐い!

急なボケを挟んだり、日常のなんてことない一コマを紹介したのがそんなに面白かったとは思えないし、ゲストと何を話せばいいかもわからず友人との会話すら盛り上がらなったし、謝辞なんて完全に言葉選び間違ってて話が繋がってなかったし、反省点を挙げればキリがない。

それでもあんなにゲスト全員がニコニコしながら楽しい時間を過ごしてくれたということはもう「結婚式」というタイトルがそうさせるんだなとしか考えられない。「結婚式」は大正義だ。みんな主催も出席もどんどんするべきだ。

 

僕は多分「結婚式」の雰囲気と来てくれたゲストの皆さんに助けられたんだと思う。改めて感謝。

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