ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

世間とズレちゃうパン

伊集院光養老孟司の対談本『世間とズレちゃうのはしょうがない』を読んだ。

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何が面白かったかと問われても、「全部」としか言いようがないので、どんな感想を書こうか悩むところ。

 

僕は長年ラジオ番組の『伊集院光 深夜の馬鹿力』を聴いてきて、4年前に始まった朝の『伊集院光とらじおと』も会社に着くまでの最初の30分だけを毎日楽しみに聴いている。

その他NHK『100分de名著』も見ているので、僕はこの人の話のわかりやすさと視点や思考回路の面白さの魅力に取り憑かれた者の1人なんだろう。

 

そんな伊集院光はメディアに出るお笑い芸人として、自分が“世間からズレている”ことを自覚しつつ、うまくバランスを取ろうとしている。

一方で養老孟司は学者として、それから83歳という年齢も相まって、既に“世間からズレている”ことを受け入れて気ままに暮らしている。

僕はそう受け取った。

 

中でも養老孟司が体験した戦時中と戦後で世間の価値観が「ガラガラポン」と変わっていった話が印象的だった。それを子供の頃に経験してきたから世の中の大きな変化にもびくつかないと。

今年はまさに新型コロナウイルスによって世界中の人々の生活が一気に変わっていったので、尚更この部分が突き刺さる。しかも、今現在で僕の仕事や生活がほとんど変わっていないことが余計に不安にさせる。もちろんこれまで通りの収入があることは有難いことなんだけれども、コロナを機に不要なものや新しく必要となったものが出てこないことがなんだか怖くなる。僕も行動すべきなんだろうけど。

 

それから、「脳みそをいじったら、いっぺんに変わるだろ」という言葉は重かった。

もし自分を組み立てている情報が変わったら、自分の意見もガラッと変わるのかもしれない。
その面白さと怖さを想像した。

Twitterで強烈にトランプを支持していた友人を組み立てている情報は何だろうと知りたい気持ちが生まれてきた。

 

本を読みながら、自分の身の回りのことに思いを馳せるのが、好きだ。