ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

1人の人間パン

スーパーの前の草むらの影に紙パックのごみを投げ捨てているおじいさんがいて、目が合った。

「何してるんですか?」と訊くと、

「ん?何もしてないよ?」としらばっくれる。

「そこにごみ捨ててましたよね?」と言うと、

「買い物をするんだよ」とよくわからない返答。

「あっちにゴミ箱ありますよ」と言うと、

「はいはい」と拾いに行った。

その後おじいさんがどうしたかはわからないけど、この人、この周辺でよく見かけるなぁと後になって思い出した。

地面に座り込んで飲み物や総菜を食べ散らかしている姿を何度も見たことがある。

多分この近所の人もスーパーの人もこのおじいさんを認識しているはず、だけど見て見ぬふりというか、存在するものをないものとしているような感じがした。

 

話は変わって、

友達が街中で遭遇した知的障害のある人の行為を嫌だと感じたけど、障害者に何か言うのは悪いことだと感じたことを話してくれた。

僕は違うと思った。自分がされて嫌だったことは、「嫌です」と言っていい。相手が障害者だから遠慮したというのはむしろ差別的だと。

 

小汚いおじいさんでも1人の人間、

知的障害者でも1人の人間、

相手がどんな人でも1人の人間として対話する姿勢を持つことが大切なんじゃないだろうか。

 

あまりにコミュニケーションが希薄な社会は不健全だ。

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