ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

ヘルパーパン

NHKのバリバラで重度障害者のヘルパーさんの回を見た。

 

障害があっても“普通”の暮らしができるように、本人に出来ないことを代わりに行うのがヘルパーの仕事。とはいえ、何もしない時間が長く続いたり、突然夜中に起こされたりとなかなか大変そうな仕事だ。


例えば自由に身体が動かせない障害者の足や腰の位置を動かすように頼まれても、本人の心地良い体勢を作ってあげるのは一朝一夕で出来ることではなさそうだ。

 

一方で、本人が寝ている間の家事や買い物を頼まれたり、アラーム代わりに起こしてあげたりするのは果たしてヘルパーの仕事なのかという疑問も生まれてくる。

 

更には、障害者本人は電動車椅子で軽く行ける距離と思っていても、ヘルパーさんが歩いてついて行くには辛いなどの感覚の差がトラブルを生んだりもするという。

 

こういった事例を聞いていて、やはりヘルパーは障害者が自力で出来ないことを補助する役割だと一応の定義はしつつも、結局のところは当事者間で対話を繰り返して互いの要求をすり合わせることが大切なのではないだろうかと考える。

それは障害の度合いが一人ひとり異なるのと同じように、ヘルパーさんの年齢や性別や性格や得意不得意によって許容範囲が異なるのは当然だから。

 

というか、もっと視野を広げて考えてみると、この世界は全てそうじゃないか。

“自分の要求を無理矢理通す人”と“嫌だけど黙って言われた通りにする人”に二分されている。

この両者が互いにもう少し対話をして思いを伝え合うことができれば、世界は平和に近づくのになぁ。