ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

エストニアパン㉒さよならタリン

昨夜楽しくなって飲みすぎたたせいか寝起きが悪い。しかし今日でエストニアは最後だ、荷物をまとめながら旅の出来事を思い出す。昨日思いのほか時間が短かったのでアントンに会社を案内してもらえるか頼んでおいた。ホステルの外で待っていると車で登場。早速乗せてもらう。僕自身車にあまり興味がないのでこれまで気づいていなかったけど、まだ午前中なのにどの車も必ずライトが点いている。実はエストニアではそもそも車にライトのスイッチがついておらず、エンジンをかけるだけで点灯する車種もあるという。これは動物除けの役目を果たしているのだそうだ。

 

ついに取引相手の会社のオフィスに到着。それはビルの奥のほんの一角の部屋に段ボールが山積みされているだけだった。・・・小さくない?

驚きを伝えると、実はサンクトペテルブルクに2軒、モスクワに1軒別に事務所があり、そっちの方が大きいという。日本からのお土産を渡すと、メーカーのキャラクターが描かれたTシャツをくれた。ちょっと気に入っている。

 

そのまま港まで送ってもらい、船にチェックインしてアントンともエストニアともお別れだ。辺りを見渡すとやけに箱ごと酒を運んでいる人が多いことに気づく。フィンランドよりもエストニアの方が酒が安いのだろう。船内図を見るとなんと12階建て、やっぱり一番上でしょ!と荷物を持ったまま12階まで階段で上る。これはとんでもない眺めだ。名探偵コナンの『水平線上の陰謀』のような大型客船の上で風に吹かれながらデッキチェアに身体を預け、カクテルを飲む。どうして僕はこんなことをしているんだろうか。大金持ちにでもなったのかと勘違いしそうになる。ちなみにこの船のチケットは5千円程度だ。是非おススメしたい。天候も良く、音楽やラジオを聴きながら3時間半を過ごし、ようやくヘルシンキ港に着いた。これだけ大きな船では港に着いてから方向転換をしてぴたりと着岸するまでに30分以上かかる。

 

船を降り、ホステルに向かってヘルシンキの街を歩く。来た時と同じくスーツケースを転がすのに一苦労。そして坂道が多く路面電車まである・・・長崎かよ。ヘルシンキ宮殿を発見。でっかくてとても綺麗な白い建物だ。

ようやくホステルに到着して気づく、これ明日また駅まで戻らなきゃいけないのでは?