ソートベーカリー

小麦粉をこねてパンを焼くように、頭の中で考えたことを文章にしていきます。

エストニアパン⑱雨宿り

さぁどこへ行こうか。地図を見ると「エストニア建築」という文字が目についた。説明が雑なだけなのか、そんなに変わった建造物なのか、一体どんなものだろうと期待してそっちへ向かって歩く。結論から言うとそこは街のイベントホールだった。しかし外観は石造りの巨大な階段のようになっていて、上まで歩いて行っている人もいる。一段一段が高い階段を息を切らしながら登った先にはフィンランド湾が広がっていた!絶景かな、とはこのことかと。しばらく座って海を眺めていると急な大雨に見舞われ、近くの屋根の下で雨宿り。すぐに止んだので散歩を続けると、強い日が差すアスファルトにモワモワと水蒸気が。公園では男の子達が自転車ごと水辺に突っ込んで水遊びしている。無邪気に遊んでるけど日本の公園ではこんなことさせてもらえないだろう。公園を抜けると絶対観光客が行かないような住宅街に入ってしまった。僕みたいに大荷物で歩いてる人なんかいないし、なんなら平日の昼間だから人も少ない。どの路地にも木が植えてあって穏やかな空間が素敵だ。路面電車の線路沿いに歩くとスーパーのRimiを見つけた。水を一本買って出るとまた大雨、さっきより強い土砂降りだ。こりゃ動けないぞ。他のお客さんもスーパーの狭い屋根の下で雨宿り。30分以上待って身体も冷えてきて、雨が弱ってきたところを今だっ!と駆け抜けた。高架下など何度か雨宿りを繰り返しながら走ったから周りの景色なんか見てないし、どの道を行ったかも覚えてない。雨も止みそうにないし身体が冷たいので見つけたパブに入ってエストニアンソーセージとビールで夕食にする。

ようやくホステルに戻る。同部屋のドイツ人とフィンランド人からウォッカを分けてもらって話す。徐々にこの国で暮らすことにも慣れてきたと思いきや、夜なかなか寝付けない。何度も暑くて目が覚める。調べるとこの夜は湿度99%、そりゃ眠れんよ。寒暖差が激しすぎる。